みなさん、こんにちは!山ゼミ編集部の瀧田です。山崎ゼミ第8回の様子をレポートします。
前回の第7回では山ゼミでも初となる、経営哲学とリーダーシップについての講義がありました。今回は、組織デザインに関して学びます。では早速、内容を見ていきましょう。
マインドとスキルを補い合うこと
組織ではマインドやスキルを補完し合うことが大切です。そこで山崎さんは自分で作った言葉、ビジネス5領域分析について説明しました。
- 創る(得るものやサービスを創る)
- 運ぶ(お客様に届くまでを設計する)
- 伝える、売る
- 組織化する
- 数える(ファイナンス・お金を教える)
様々な企業を分析した結果、これらをカバーしている企業が成功しているのだと言います。ただし、企業にはフェーズがあるので、フェーズによって必要なスキルが違うことは認識しておきましょう。ここで、ゼミ生自身が上記5つの領域で好き・嫌い・得意・不得意を明確にするため、少し時間を取り、考えていただきました。
理想としては2、3人のマネージメントで補完し合えると良いのだそう。スタートアップの場合は一人一人にパワーがあるぶん、どこかがかけているとバランスが悪くなってしまいます。
他にも補完し合うべきマネジメント要素は、ネガティブバイアスと、ポジティブバイアス。会社の中では両方を組み合わせ、バランスをとることが大切です。そのためには、まず自分がどちらの傾向にあるのか、理解することからはじめると、今回のような状況に陥ったときに自分にはバイアスがかかっていることがわかり、コミュニケーションの取り方がわかります。
組織づくりの2つの側面(機能的側面と文化的側面)
会社とは、ミッションのため人が集まり、ビジョンを共有して目標とし、文化が生まれることで、行動ルールが規定され生産性向上のために、コストを意識しながら価値向上し続けることで、未来のための利益を出し続ける場所のこと。
組織づくりには2つの側面があります。それが機能と文化です。具体的には、アウトプットを出すためのスキル集合体(機能的側面)と共に生きるコミュニティ(文化的側面)、この両面があって組織が出来上がります。そして文化的側面の部分には前回のゼミで学んだ経営者の哲学が強く影響します。
組織のビジョンを達成するために戦略があり、戦略を支えるのが具体的なアクションです。機能別xフェーズによって組織でどこを強みとして競争力を創るのかを考えることが重要になります。
そして、オペレーション戦略では生産性に焦点をあて、付加価値(売り上げ・利益)とリソース(ヒト・モノ・カネ)、これらの要素を改善することで利益が増えていくのです。
文化的側面
ミッションは文化のコアで、それは経営者の主観が強く影響され、色々な要因が絡み合って文化が生まれます。極論、文化があるとマネジメントコストが低くなるのです。ここで重要な2つの視点をご紹介します。
1つ目の視点は社内で大切にされる言葉は何かを把握すること。社員同士でよく使われる言葉や経営者の口癖になっておりような言葉の裏に文化があるのです。そして2つ目の視点は経済合理性を超えるものは何かを明確にすること。向き合う文化やその会社しかできないことが見えてきます。
組織は成功体験や失敗体験で学び作られていく。だからこそ、会社全体の体験をきちんと共有し、評価するが組織の成長を創ることができるのです。
文化に影響するのは、人事制度
ここで文化的側面に重要な、人事制度について詳しく解説します。人事は、採用、責任、評価、人事配置、育成、働き方に該当します。これらは文化を発展させるために作られていますか?結論からいうと、採用が8割。ここでは具体的に採用のお話をします。
採用は原則、その人の人生で入社する意味がある人を採る。ミッションに共感する背景を深掘りすることが大切です。採用基準は文化に貢献できる、ビジョン(文化的)とビジネスモデル(機能的)に貢献できる両方が必要。スキルの穴埋めを目的に採用しても企業文化が合わなくて失敗してしまうケースもあるので、注意が必要です。そのギャップをなくすためには、人としてどういう場所で、どうありたいのかを話してもらうことで見極めることができます。
最初から人事制度はいきなり作れないので、マザーハウスも10年以上かけながら、少しずつ改善を重ねています。そして、理念だけで会社はつくれないため、社員一人一人も会社の理念やビジョンを出来るだけ見える化、自分ごと化、言える化することが大切。実際にマザーハウスでは、外部への会社説明の時も個人がそれぞれ資料を作り、自分の言葉で説明しています。そうすることで自分の考えていることに気がつくことができるのです。
「会社はみんなのアクションで創るもの。数字に追われて本当に効率的なのか迷いがあることも、最後はみんなを信じきれるかどうかが大切。」そう山崎さんは語りました。
ゼミ生の事業プレゼンとディスカッション
第二部では、ゼミ生による事業プレゼンテーションとディスカッションが行われました。
米本大河さん(株式会社エドガ)
米本さんは現在市場が伸びている、VRを用いた企業向け研修トレーニングサービスを提供しています。新人研修や、適職研修、訓練ソフトの開発などをしている事業を展開しています。とてもユーモア溢れる語り口調でやっていること、ご本人の心の内が赤裸々に語ってくださりました。原点回帰し、自分のやりたいことを見つめ直した結果、VR版TDLxキッザニアを創る夢に気がついたそうです。ただ、現実的に考えて、ファーストステップとしてはB2B向けの研修教育に力を入れているそうです。課題は採用面が多く、マネジメント人材や営業マンがいないとのことでした。
【山崎さんからのフィードバック(一部)】
- オペレーションをエグゼキューションしてくれるかたがいい
- どれだけリスクが取れるかが鍵になる
- 売るが重要なので、研修営業の鬼が必要
- 今後やりたいことに繋げるためのネーミングが必要
- オリジナリティを表現する言葉をみんな探している
鈴木なつみさん(母親アップデートコミュニティ)
鈴木さんは、母親をもっとおもしろくというミッションを掲げ、母親を取り巻く環境の課題解決により、生き生きとした母親を増やすことを目的としたコミュニティを運営しています。具体的にはコミュニティ内学び合いや外部向けイベントなどを展開しており、今後は発信にも注力していくとのこと。悩みとしては、どのように活動を広げていくのか?どのように事業化するのか?という点を挙げていました。
【山崎さんからのフィードバック(一部)】
- なつみさんは何がしたいのか?ビジョンと個人としてやりたいことのギャップがあるのではないか?
- 事業化する必要はないのかもしれない。ビジネスっぽくすることで今の魅力や楽しさ、本質が変わってしまうこともある。
- NPO法人すると良いかも。みんなで集めたお金はみんなで使っていく。
- 最終的になつみさんはどんな存在でありたいのか?
編集後記
今回の組織デザインのフェーズでも、ゼミ生みなさんのそれぞれの事業フェーズやメンバーに応じて様々な学びが多かったのではないでしょうか。マザーハウスも企業文化を作り上げており、多くの失敗と成功から今のマザーハウスがあるのだと感じました。
名残惜しくも、そろそろ山ゼミも終わりが近づいてきました…。次回もお楽しみに!