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2024.07.29

【山ゼミレポート】第1回(講義編)「想い」をビジネスに活かす方法

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みなさんこんにちは!山ゼミ編集部の加藤です。今回は、記念すべき山崎ゼミ第4期の第1回目の様子をレポートしたいと思います!

第1回のテーマは、「『想い』をビジネスに活かす方法」。山ゼミの1回目はいつもこのテーマから始まります。それは、一見シンプルでスルーしてしまいそうなこのテーマが、実は起業やビジネスを成功させるうえで本当に大事だからです。

実際に僕も山ゼミ第2期生として参加させていただいたのですが、全ての回を振り返ってみてもこの第1回目で学んだことが一番大切だったなと今でも思っています。なぜそれほど「想い」が大事なのでしょうか?

山ゼミで学ぶのは、ただ単に熱い「想い」が大事だとか、「起業にはモチベーションが必要だ」とか、よくある根性論のような話では全くありません。むしろ、山崎さんのマザーハウスでの10年以上にわたる経験をとてもロジカルに体系化し、汎用性のある理論にまとめたもので、どちらかというとサイエンスに近い感じです。

「『想い』をサイエンスするってどういうこと?」内容が気になってきた方のために、さっそく当日の内容を振り返っていきたいと思います!

第4期のゼミメンバー初顔合わせ!緊張の瞬間

記念すべき第一回目は、ゼミ生にとっても初顔合わせのタイミングです。第4期も、バックグラウンドも経験も全く異なる19名のユニークな受講生が揃いました!

最初は皆さん少しばかり緊張している様子でしたが、それも束の間。山崎さんから簡単なイントロダクションがあった後に、一人1分間の自己紹介プレゼンからゼミが始まります。

とてもユニークな自己紹介が多かったのですが、ここで全てを説明するとそれだけで終わってしまいますので、簡単に4期生の特徴を一言ずつまとめたいと思います!

「数字に興味がない税理士」「民泊でマイノリティの独立支援」「授乳室にサイネージ入れた新規事業担当」「大手広告代理店のマーケ」「趣味はグラレコ」「朝5時ブログの女」「テーマは健康づくり」「ある日突然COO」「35ヶ国旅した」「島根から地方創生」「元まち嫌いのまちづくりコンサル」「ウガンダでトイレづくり」「フルマラソン走り倒した」「元NGOで今はエシカル」「クラファン社長室」「ハーブティーのサブスク起業」「会社でストレッチ」「NPOの事務局長」「舞台制作の働きかた改革」

いかがでしょうか?とても多様な参加者が集まっていることがお分かりいただけるのではないかと思います!これからのゼミが非常に楽しみになるメンバーでした!

みんな自己紹介をして安心したのも束の間、その後すぐに山ゼミ定例のとある「くだり」があるのですが、そこはゼミ生だけのお楽しみです♪

思いの解像度を上げる

自己紹介タイムが終わったら、さっそくゼミの本題である「『想い』をビジネスに活かす方法」に入っていきます。

山ゼミに集まってきている人は、すでに起業していたり、これから起業予定の人だったり、大企業で事業をつくっていたり、NPOのマネジメントをしていたりと、何かしら自分の想いを持って動いている人ばかり。「なぜその活動をやっているの?」と聞かれれば、自分なりの回答は出せる人ばかりです。

それでもなぜ、第一回目であえて「想い」をテーマに講義をするのか。山崎さん曰く、「世の中はストーリーで溢れていて、ストーリーでは差別化できない時代に入っている。この時代にただ想いがあるということだけを伝えても、意味がない」とのこと。

たしかに、最近ではSNSも note も ブログもあって、個人が誰でも自由に自分の想いや考えを伝えられる時代。ありふれたストーリーは供給過多になっていて、ただ「私はこんな想いでこんな事業をやっています」と一生懸命伝えても、なかなか人の心には届きません。

それでは、そんな時代に、お金も知名度も実績もない個人が周囲から共感を集め、「コト」を起こしていくためには一体どうすればよいのでしょうか?

山崎さんの話に真剣に耳を傾けるゼミ生

その答えは、ずばり「想いの解像度を上げる」×「想いの伝え方を磨く」という掛け算にあります。この記事では講義内容の全てを書くことはできませんが、それぞれの要点を少しだけご紹介したいと思います!

想いには「かこ」「いま」「みらい」がある。

「想いの解像度を上げる」とは、具体的にはどういうことなのでしょうか? 山崎さんは、想いには「かこ」「いま」「みらい」の3つがあると話します。整理すると、下記のような感じになります。

  • かこ:原点(Why)
  • いま:行動(What)
  • みらい:ビジョン(For What)

大事なのは、想いを語るときにこの「Why」「What」「For What」の3つが含まれていて、その3つに一貫性があることです。これを意識するだけでも、自己紹介や自社プレゼンの質が上がるのではないでしょうか?

個人的にこれを最も体現しているのではないかと感じるのが、山崎さんが率いるマザーハウスの例です。

マザーハウスのビジョンは「途上国から世界に通用するブランドをつくる」です。非常に力強く前向きなエネルギーを感じるビジョンですが、このビジョンが生まれた背景には、創業者である山口さんや山崎さんの原体験があります。

山口さんは幼いころに壮絶ないじめに遭った経験があり、山崎さんも貧しい家庭のもとで育つなど、それぞれ苦労をしながら決して恵まれているとは言えない環境で育ってきました。しかし、そうした逆境の中でも自分たちの信念を貫き、いまでは世界4か国で40店舗以上を展開するグローバルな企業の経営者として活躍しています。

このようなお二人の原体験を知ったうえで改めてマザーハウスのビジョンである「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という文字を読んでみると、また違った印象が浮かび上がってきます。

マザーハウスのビジョン

そう、もしかすると「途上国」とは「恵まれているとは言えない環境で育った自分たち」のメタファーであり、「世界に通用するブランド」とは「世界で活躍する自分たち」のことなのではないか、ともとれるのです。つまり、このビジョンを達成することで救われるのは、途上国の人々だけではなく、山口さん、山崎さん自身でもあるのではないかと。マザーハウスに共感してファンになっているのは、同じように何かしらのハンディキャップを感じながらも、そんな自分でも頑張れる、成功できる、と前向きに生きていきたい人々なのではないかと。

幼いころにそうした経験があった二人だったからこそ、ベトナムやバングラデシュに行き、貧しくもキラキラと輝いている子どもたちに会ったときに、何か感じるものがあった。それが結果として今のマザーハウスにつながっている。そう考えると、マザーハウスという企業はまさに経営者の「Why」「What」「For What」が一貫してつながっており、だからこそどんな苦難があっても軸を曲げることなく前に進んでいけるのだと感じるのです。

さて、話を戻して、みなさんも自分自身の「Why」「What」「For What」を改めて考えてみましょう。今やっていることと(What)と、原体験(Why)はつながっているでしょうか?周囲に対して宣言しているビジョン(For What)と、今やっていること(What)はつながっているでしょうか?そのビジョン(For What)を達成することで、他でもないあなた自身が救われるでしょうか?

想いを語るとは、「この3つをしっかりと一貫性を持って語る」ことであり、それができてはじめて人が共感できるストーリーが立ち現れてくるのです。ゼミ当日は、この解像度を上げる作業をするために、事前課題として課されていた「人生曲線」をペアになって発表しあうというワークがありました。

お互いの人生曲線について話し合い、盛り上がるゼミ生

やっぱり自分のことを話すのは楽しいもの。参加者は皆さんとても楽しそうに自分の人生曲線を話していましたが、曲線をつくったり誰かにそれを伝えたりする中で、それぞれ自分に対する新たな発見があったようです。成功の秘訣は、まず自分の過去をしっかりと振り返るところからスタートするのかもしれませんね♪

「伝える」ではなく「伝わる」

想いの解像度を上げたら、次はそれをどのように伝えるか、という点です。ここでのポイントは、「伝える」ではなく「伝わる」ことを意識するということ。これも言うは易し、行うは難しの典型ですが、山ゼミではその具体的な方法論が紹介されました。

ここで印象的だったのは、もっとも想いが伝わる「メディア」は何か?ということです。伝える、伝わると聞くと、ついついプレゼンのディテールや話し方、表現手法などを想像してしまいますよね。でも、実はそうした「言葉」よりももっと伝わる方法があるのです。それは、ずばり「行動」です。

「どんな小さなアクションでもいいから、想いを伝えるときには自分がとった『行動』を含めること。これだけでもだいぶ説得力が増す」と山崎さんは語ります。

たしかに、自分の想いがどれだけ本気かを相手に伝える方法は「言葉」だけではありません。実は、私たちは毎日無意識に様々な形で周囲の人にメッセージを発しているのです。そしてそれらの多くは「伝えよう」としなくても「伝わって」しまうもの。山崎さんは、こう言いました。

「行動は、最大の説得力。」

まさに。これは、これから事業を始めたい人や、事業を始めたものの、なかなか資金や仲間が集まらずに苦労しているという人にとっての金言だと思いました。山崎さんが給料もすごくよかったゴールドマンサックスを辞めて、まだお金も実績も何もないマザーハウスに参画しようと決心したのは、山口さんが実際にバングラデシュで作ってきたバッグを目の前に持ってきたからだそうです。

山口さんが山崎さんの前に持ってきたバッグ。この行動力に山崎さんの心が動かされ、マザーハウスの歴史が始まった。

実際にバッグを目の前に持ってきて、買ってくださいと言われたこと以上に、山口さんの想いが伝わるものはなかったと。すごくシンプルなのですが、すごく大切なことで、この話は今でも僕の心に残っています。

編集後記

というわけで、山ゼミ第4期の記念すべき第一回目のレポートでした!少しでも山ゼミの雰囲気が皆様に伝わっていれば幸いです!ゼミの後は懇親会があり、受講生からとんでもない爆弾発言や暴露話がたくさん飛び出して、早くも波乱万丈な4期を予想させる展開となったのですが、皆さん初対面とは思えないほどあっという間に仲良くなり、23時を超えるまで盛り上がっていました♪(飲み会の写真は取り忘れましたごめんなさい)

次回のレポートもお楽しみに!