yamasemi

2024.07.29

【山ゼミレポート】第3回 事業のフェーズ別モデル

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みなさんこんにちは!山ゼミ編集部の瀧田です。今回は、山崎ゼミ第4期の第 3回目の様子をレポートします。

前回は、初回の講義で学んだ「『想い』をビジネスに活かす方法」から「かこ (Why)」「いま (What) 」「みらい (For What)」それぞれの想いの解像度を上げ、それらの要素を含めて一人一人がプレゼンテーションを行いました。参加者のみなさんが活躍しているフィールドは異なりますが、それぞれの取り組む事業や活動への素敵な「想い」を共有していただきました。

4つの事業フェーズ

第3回は事業フェーズごとの経営に関する理解を深めていきます。今回は講師の山崎さんが、自ら立ち上げたマザーハウスのケースを用いて「想いのフェーズ」「構築フェーズ」「実現フェーズ」「離陸フェーズ」という4つの事業フェーズについて順番に説明しました。

山崎さんは、創業初期からメンバーと共に切磋琢磨した日々を語りながら、各フェーズで特に注力したことや大切にしていた行動指針などをスライドにまとめ、時系列を追ってとてもわかりやすく説明してくださいました。成功体験のみならず、山崎さん自身が学んだ反省点を赤裸々に語り、その経験から得た教訓も話していたのが印象的でした。また、状況に応じたファイナンス面のアドバイスもあり、ゼミ生はみな真剣に耳を傾けていました。

今回は少しだけその内容を共有します。

ひたすらファン集めに注力する「想いのフェーズ」

初期の想いのフェーズでは、マザーハウスのファンを増やすためにいつも商品を持ち歩き、出会う方一人一人にひたすら自分たちの事業に対する想いを伝えていたのだとか。共感してくれる仲間を募り、想いをベースにボランティアとして集まってくれたとのこと。それらのファン集めや拠点づくりから得た知見がたくさん共有されました。

お客様に直接思いを伝え、共感するファンを増やしていった。

高速PDCAでヒット商品を作る「構築フェーズ」

少しずつ自社製品が売れるようになってきた構築フェーズでは、利益を出すべく答えを模索するタイミングとなります。結果を出すために、拠点とする店舗をベースにひたすら高速でPDCAを回していたとのこと。そして、このフェーズでは仲間の選別や資金調達、経営者トップの行動など多くの変化があり、そのときに山崎さんが経験したリアルな苦悩や葛藤、そこから得た学びを赤裸々に教えてくれました。

順調に売上が増え始める。

ようやく働く仲間を強く思い始めた「実現フェーズ」

事業を信じてひたすらアクセルを踏み続けた結果、ようやくビジネスモデルを見つけたのと同時に、経営者としての役割も見え始め、仲間が入ってきたフェーズです。構築フェーズでPDCAを回していくうちにヒット商品も出始めたそうですが、この時期はいくら仕事をしても時間が足りなく、みんな心身ともに疲れ切ってしまっていたとのこと。そこで今までお客様ばかりに気を取られていた自分に気がつき、疲弊した社員に必要なものは経営ビジョンだと考え、全社共通のビジョンを掲げるために必死で計画を立てたそうです。

働く仲間と共に大きな目標に向かって Take off!「離陸フェーズ」

ビジョンの重要性に気づいた山崎さんは “Road to 10”という4か年計画を作り、社内のメンバーへ共有しました。これが離陸フェーズです。実際に現場にいた社員の皆さんも、そのビジョンが発表された当時は実現できないだろうと思っていたという話もありました。山崎さんは、「心身ともにきつい状況だったが、個人も組織も最高に学んだ4年間だった」と振り返りながら、そのビジョンの策定をする時の4つの軸と、目標で終わらず実現するための鍵を含め、様々な情報を共有しました。

新たなビジョンと共に、ロゴも一新した。

編集後記

まるで物語を聞いているかのようなマザーハウスの波乱万丈の4年間を、たった4時間に凝縮して話してくれた山崎さんの講義は、とても刺激的でした。山崎さんが自ら考え、行動してきた結果として今のマザーハウスがあるのだということを改めて実感しました。また、経営の話だけでなく山崎さん自身のフェーズごとの心境の変化も知ることができ、多くの苦難を乗り越えたからこそ語ることができる経営者としてのエッセンスが凝縮されていました。

次回のレポートもお楽しみに!