yamasemi

2024.07.29

【山ゼミレポート】第4回 最愛のブランドを作るために〜ブランディングに大切なもの〜

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みなさんこんにちは!山ゼミ編集部の富山です。山崎ゼミ第4期の第4回目の様子をレポートします。今回は、新型コロナ拡大防止のための自宅自粛期間により、山崎ゼミ初のオンライン講義。リアルの場とはまた違った、オンラインならではの新たな可能性を感じる時間となりました。

前回は、講師の山崎さんから自ら立ち上げたマザーハウスのケースを用いて「想いのフェーズ」「構築フェーズ」「実現フェーズ」「離陸フェーズ」という4つのフェーズの説明がありました。第4回目となる今回は、前半に山崎さんから「ブランディング」について、後半はゼミ生からの事業プレゼンテーションに対して山崎さんと他のゼミ生が議論を交わしていくという2部構成で行われました。少しだけ、その内容を見ていきましょう。

最愛なブランドをつくるために

山崎ゼミの軸である、「想いを形にする経営」。そのためには、個人の想いをブランドづくり、プロダクトづくり、お客様づくりに活かす必要があります。今回の講義では、その中でも「ブランドづくり」の話に焦点を当てていきます。

「これからの時代は『最高』か『最愛』か『最安』しか僕は生き残れないと思っています」

今の時代、最安のものはインターネットですぐ調べることができ、最高のものも認知しやすくなっています。その中で目指すべきものは「最愛」であると、山崎さんは話します。いきなり「最高」のものを作るのはハードルが高いので、経営者はまず、「最愛」をつくりながら「最高」に移していくプロセスに入るべきだということです。

いきなり「最高」は難しい。まずは「最愛」から目指す。

応援したくなる「ブランド」ってなに?

「脳において記憶を司る部分はどこでしょう?」と、山崎さん。「なぜ、突然脳の話をするのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、実はこれが応援したくなるブランドを作る上で重要なのです。zoomのチャット機能を使い、ゼミ生が次々と回答。正解は、海馬と扁桃体です。これらが、人間の記憶や感覚を担う場所になっています。

人間には「情報記憶」と「感情記憶」があり、情報にも感情にも残るのが「ブランド」だと山崎さんは話します。応援したくなるブランドとはつまり、この2つの記憶に残るブランドだということです。

応援したくなるブランドは、情報記憶と感情記憶に残る。

キャラクターとテーマ設定

では、この「情報記憶」と「感情記憶」の双方で印象に残るブランドとは一体、どういうことなのでしょうか?山崎さん曰く、この感情記憶は「キャラクター」であり、情報記憶は「テーマ設定」が大切になるそうです。

まず、扁桃体に影響する「キャラクター設定」に大事なのは、「挑戦する姿勢」です。そしてこの“姿勢”にこそ、キャラクターが現れます。山崎さんは、キャラ立ちしている4人の女性起業家を例に出して解説してくださいました。大事なのは、それぞれが自分のキャラクターを理解するために探し続けているか、ということです。

講義では、ブレイクアウトルームを使って4人1組のチームになり、自分の「マインドセット」と「自分のキャラクター」について対話する時間が作られました。「めんどくさいキャラ」「サイコパス」「修羅場をくぐり抜けすぎて感覚がおかしくなったサーファー」など、面白いキャラクターを持つゼミ生が多く、盛り上がりました。

ミッションを尖らせることが大切

これまで、感情記憶に残るためにキャラクターやイメージを大切にする必要があるという話をしてきましたが、次は情報記憶に残るために大事なものは何か、という話です。人の記憶に残るためには、ミッションを明確にして尖らせることが大切だと山崎さんは語ります。みんなができそうにないことを具体的に本気度が伝わる一文に込めることが大切。講義では、山崎さんがブランドを立ち上げるために必ずやっているオススメの方法がシェアされました。

  • いきなり1行にしない。大事なことをとにかくたくさん書いていく。
  • やろうとしていることを3行×3段で書いていく。
  • その中でいいフレーズを抽出してみる。

ゼミ生からは「なんで3行なの?」「ビジョンは何人で決めたらいい?」といった質問もあり、講義は白熱。さらに山崎さんは、マザーハウスの「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念ができるまでの過程も惜しみなく共有してくれました。その内容はゼミ生だけのお楽しみです。

最愛のブランドを作るためのテーマ

ミッションと並んで大事なのは、テーマ設定です。3つのキーワードの掛け算で、顧客に思い出してもらえるブランドになることが大切です。キーワードでメディアはブランドを取り上げますし、キーワードにファンがつくからです。ちなみに、マザーハウスのキーワードは「途上国」「バッグ」「女性起業家」。これらのキーワードが決まるまでの過程にもさまざまな試行錯誤があり、大変学びがありました。最終的には、一つのキーワードでブランドを思い出してもらえるようになることが目標です。

マザーハウスのブランドを形作る3つのキーワード

ゼミ生の事業プレゼンとディスカッション

第二部は、ゼミ生による10分間の事業お悩みプレゼンテーションが行われました。

株式会社Groove Designs代表の三谷繭子さん

トップバッターは、まちづくり・都市デザインコンサルタントである三谷さん。市民のタッチポイントを模索しながら、様々な視点で町づくりをしているそうなのですが、コンサルタントという立ち位置で果たせることの限界を感じているそうです。また、方向性がふわっとしていることや、想いを事業化する際の具体的な方法論、仲間づくりに悩みを抱えていました。

【山崎さんからのフィードバック(一部)】

  • 非常に面白く、テーマが横断的なので今っぽいビジネス
  • 事業として視点を絞ることが大事
  • 今色々関わりのある中でワクワクするもの、許せないものを考えてみる
  • 地域にある看板をワクワクするものに変える「看板デザイナー」はどうか?
  • 「こういう人のための町でありたい」という明確な設定が大事
  • まちづくり自体をアミューズメントとして、参加者からお金をもらうのはどうか?

NPO法人Explat/合同会社syuz’genの植松侑子さん

植松さんは、舞台芸術のアートマネージャーに向けた人材育成や雇用関係の雇用関係の整備の中間支援組織と、新しい働き方を実現する、アートマネージャーのプラットフォームを運営しています。本の舞台芸術業界の労働環境が整備されていないことを課題としている植松さん。プレゼンテーションでは、最近のアップデートされた演劇の事例として、街中でのパブリックエリアでの演劇や入場料で株をやり金融の一連の流れを演劇にするといったような、ユニークな作品を紹介してくださいました。そのように演劇を社会で実装できる面白さを感じながらも、トップの考えが変わらない限りブラックな労働環境が変わらない、さらに演劇のイメージが日本でよくない、といったことを課題としていました。

【山崎さんからのフィードバック(一部)】

  • 問題意識や、やっていることは100%理解できる
  • 植松さんみたいな人を作ることが大切ではないか?
  • 文化の価値をアップデートする影響力のある人に広げる
  • 固定観念がない若い人に流行らせる。TikTokなど相性も良さそう
  • 「演劇」っていうのをやめて新しい名前をつけてみたらどうか?

お二人のプレゼンテーションに対して、山崎さんからのフィードバックだけではなく、ゼミ生からのアドバイスからも熱い議論が生まれ、大変盛り上がりました!Facebookコメントやzoomチャットにも多くのコメントがついて、発表者の方々も課題について考えを深めるとてもよい機会となっていたようです。

最後に、山崎さんから「今回は初のオンライン講義でしたが、次もやり方をさらに考えて面白くしていきます!」という話もあり、第5回もさらにパワーアップした講義が期待できそうです。

編集後記

ということで、山崎ゼミの記念すべき第一回オンライン講義のレポートでした!zoomのブレイクアウトルームやチャット機能を使い、リアルとは違った盛り上がり方&面白さがありました。終電がないオンライン山崎ゼミ、次回も盛り上がりそうです!