yamasemi

2024.07.29

【山ゼミレポート】第6回 プロダクト作り

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みなさん、こんにちは!山ゼミ編集部の瀧田です。山崎ゼミ第6回の様子をレポートします。新型コロナウイルスの影響により、今回も引き続き講義はオンラインで開催されました。リアルの場で山ゼミに参加していた私は初めてのオンライン参加でしたが、終始リアルの場と変わらない熱量で盛り上がりました。

前回の第5回ではお客様との関係性についての講義でした。お客様との関係性を作った後は、そのお客様が買ってくれるプロダクトを製作する必要があります。今回はそのプロダクト作りについての講義です。

お客様起点のプロダクトを売る

プロダクトを考えるときは、理念やビジョンなどの「想い」を反映するのではなく、お客様起点で作ることが重要だと山崎さんは言います。プロダクトを考えることは、つまり、その商品のバリューを考え、お金の稼ぎ方を考えることになるのです。それでは、どのようにお客様起点で考えるのでしょうか。

プロダクトに異なる視点を持つ

プロダクト作りには、お客様のニーズにあったプロダクトを作ることも大切ですが、競合他社と差別化すること、つまり独自性も大切です。山崎さんは「あなたの今扱っているプロダクトは何ですか?」とゼミ生へ問いかけました。プロダクトに独自性を持つには、異なる視点を持つことが重要だと山崎さんは説明します。

プロダクトの価値は機能、時間、形容詞など様々な視点から分解できる。

例として、車から連想される言葉をみなさんで考えました。ゼミ生からは「
移動手段」「ステータス」「カラオケボックス」「デートスポット」「旅行道具」など多種多様なワードが挙がりました。この一つ一つ挙げられた車の視点にマーケットがあり、新しいプロダクトを差別化する良いヒントにつながるのです。

目的性にこだわる

この講義のはじめに理念やビジョンを捨ててお客様起点でのプロダクト作りが重要だと話されていましたが、一方でオリジナリティを出すためには、視点を変えるだけではなくプロダクトを製造する目的を突き詰めることも重要なポイントになります。実際に、商品自体の見た目や機能を変えても大きく差別化はできません。独自性のあるプロダクトを作り出すためには、製造するプロセスをオリジナルにする必要があり、そのプロセスをオリジナルにするためには「なんのために作るのか?」という目的性にこだわることが大切なのです。

独自性のあるプロダクト・サービスは、目的性へのこだわりから生まれる。

プロダクトを
科学するのは難しい

目的性を突き詰めて考えられたプロダクトだとしても、売れるか売れないかは法則やルールがなく未知数です。実は、10人が全員欲しいというものより10人中一人が絶対欲しいというものが売れることも。山崎さんはプロダクトを売り続けるための3つのポイントを示しました。

  • ヒット商品を生み出す
  • ホームラン商品を生み出す
  • 売れた商品を売れ続けるようにする

お客様起点やプロダクトを差別化し、ひたすらプロダクトを出し続けていくと、ヒット商品が生まれます。そして、ホームラン(数年売り続ける大ヒット)商品を生み出すことができたら、その売れた商品をシリーズ化し横展開していきます。継続して売れる商品を作るための鍵は、売れた商品をひたすらPDCAを回していくことなのです。

ホームライン狙い・ヒット狙いでポートフォリオを組む。

プロダクトは市場に出してみないと売れるかどうかは分かりません。そのため、普段から流行モノに敏感になり、それが徹底的に流行している理由を分析することで顧客視点に立つことができるのです。実際に、山崎さんはこの方法でセンスを磨いているそうです。

ゼミ生からは「市場に出すタイミングはどう見分け方は?」「顧客とのコミュニケーションの取り方は?」といった質問も。さらに山崎さんは、マザーハウスのヒット商品、ホームラン商品開発までの過程をお話ししてくださいました。その内容は、ゼミ生だからこそ聞ける貴重なお話です♪

ゼミ生の事業プレゼンとディスカッション

第二部では、ゼミ生による事業プレゼンテーションとディスカッションが行われました。

株式会社フローミュラ 松見 咲子さん

松見さんは、心身ともに自然体でいられるように体調をチューニングをするためのハーブティーを提供するサービスを立ち上げました。現在は商品リリースを目前に控えた開発段階で、プロダクトをリリースするにあたっての今後の組織の体制を考えています。提供する商品の種類に関してはゼミ生のみなさんで活発に意見交換をしました。

【山崎さんからのフィードバック(一部)】

  • 会社としてのミッション、ビジョン、バリューが明確な上、チューニングもいい言葉ので、伝わるかどうかが全て
  • チューニングの必要性の気づきを与えることが大切
  • 飲み物はクセづけされているので、飲み物に対するシフトチェンジをしなくてはいけない
  • プロダクト:売り方による(松見さん共感層を作るのであれば、自分の好きなものを売る)、縦軸(美しさ)と横軸(マニアック度)を決める
  • インスタ映えも狙うのは大切
  • 一年くらいは今の状態か、やらなくてもいいことをどう減らすか考えるべき

株式会社LOOOF 丸谷 篤史さん

「比較を超える」という企業理念のもと、地域で古民家の宿泊サービスを構想している丸谷さん。ソーシャル暖簾分けモデルというフランチャイズの特殊バージョンというとてもユニークかつ洗練されたビジネスモデルを展開しています。丸谷さんの思いは多岐にわたり、地域特有の生活文化財の再生や児童養護施設出身の起業家を増やすこと、そして自立した子が集うクリエイティブ集団を作っていくという熱い想いを持っています。丸谷さんは想いが強いぶん、同情マーケティングはしたくない、イメージが先行されないかと山崎さんに問いを立てていました。

【山崎さんからのフィードバック(一部)】

  • 建築士と大工の技術を持っていることはとても強み
  • 出口戦略さえ作ればいろんなことができそう
  • キャッシュポイントを複数作っていることも面白い
  • 複合的にビジネスを見続けたものがうまく組み合わさった形
  • 人材の入り口を絞ってしまうのはリスクになりかねない
  • どうやって需要喚起するのかも深く考えたい

編集後記

今回のプロダクト作りの講義はプロダクトのみならず、サービスにも当てはまる内容の講義となりました。プロダクト開発に携わっているゼミ生からは「山崎さんのお話を聞きながら感じたことが多く、自分のプロダクトと照らし合わせて唸っていました」という意見も。講義ではブレークアウトセッションで1対1の対話をしたり、いつでも自由にコメントを書き込むことができたりと、ゼミ生同士もコミュニケーションが取れる、自然なやり取りが生まれ、オンラインの良さが活かされていました。

次回の講義は山ゼミ初のテーマ、経営哲学です!次回のレポートもお楽しみに!